9月5日は創立者ゲマインダ神父様の命日にあたり、神父様の思い出を掲載しております。
神父様は「あなた方は世にあって、世のものではないのです。(ヨハネ17章「イエスの祈り」とよくおっしゃっていました。もう何十年も前になりますが私たちは8月、夏休みを利用して全国からゲマインダー師のもとに集まり黙想会に参加しました。一週間の黙想中、師の講話とミサ・個人面接があり、私は師から私の霊的生活や会への意見など聞かれ、自分の考えをお話したことを覚えています。師は静かにうなずき乍ら聞いておられました。
講話の中で師は「あなた方は社会の中では一人で生活するが全く一人ではない。皆一つの家族なのです。その真ん中にイエス様がおられます。何かあればイエス様ならどうするか聴きなさい」と説かれました。
黙想終了後、私たちが帰り支度を終えそれぞれの家に向かうため玄関を出て後ろを振り返ると、ゲマインダー師はご自分の部屋のバルコニーから身を乗り出して私たちに大きく手を振り、見送ってくださっていました。その姿はあたかも「娘たちよ、あなた方は世の光です。各々の場で輝き続けなさい。」と言わんばかりに力強いものでした。
私の道・・日常の生活の核となるものは教会が認めた在俗奉献者だということでしょう。ただ一人で神の道を歩くこともできますが、私は同じ目的を持った仲間と共に神への信仰を深め、成長していく道を選びました。仲間からは多くの恵みを与えられ、最近では私も仲間に与える存在だと感じています。それは与えることによって受け取るのは他の誰でもない私自身だと思うからです。
その時の黙想会後、しばらくした9月5日、師が亡くなったとの連絡を受けました。
私たちの会を創立されたゲマインダー師に心から感謝します。私たちが神の道を歩む上での門戸を広く開き、道しるべを示してくださいました。だからこそ私は世に在りながら今日もイエスと共に神に向かって旅路を歩めるのです。自分の信仰を守り、徹底して生きたいと思うとき、在俗奉献という選択肢があることを皆様に知っていただけたら幸いです。 K.I